妊活への薬膳を考える
みなさんは薬膳に対して、どんなイメージをお持ちですか?
・なんだか作るのが難しそう
・健康に良さそうだけど、取っつきにくい
・薬膳の料理は見た目が地味そう
・特別な材料が必要
・苦そう、おいしくなさそう
マイナスなイメージが多いですよね。
それは、きっと薬膳を知らないからです!
ではまず、薬膳とは
中医学理論に基づいて食材、中薬と組合せた料理であり、栄養、効果、色、香り、味、形など全てが揃った食養生の方法です。
「薬膳料理」と称されることもあるが、「膳」自体に「料理」の意味が含まれています。
わかりやすく言うと、中医学理論に基づき調理された料理で、病気の予防や回復、保健を目的にした、おいしい食事のことです。
薬膳料理は、生薬を使ったものだけではなく、日々の私たちが食べている穀物や野菜、肉、魚、乳製品などを材料にしたものも含まれます。
生薬を使っていれば薬膳だということは感覚的にわかっても、普通の食材を使って作る料理が薬膳なのだということは、いささかピンとこないのではないでしょうか?
生薬配合の料理だとありがたみがあっても、普通の食材を組み合わせた料理が薬膳だといわれても、普通と薬膳の違いがどこにあるの?と思いますよね。
そこです!ここが肝心なところです!
生薬を配した料理があっても、それが中医学理論に基づいていなければ、薬膳とはいえません。
枸杞やナツメを使っているから薬膳料理だ、とはいえないということです。
そして、おいしくなければいけません。
おいしくなければ、毎日食べることはできませんし、
『おいしい』と思う情報が脳に感知されると、胃の消化液もスムーズに出てきて消化され、腸で吸収、体にとって栄養になります。
プンプン、イライラしながら食べると交感神経(興奮)が優位になり、消化不良を起こしたりします。
また、人は季節・住環境・生活スタイルで目まぐるしく体調が変化します。
自分の口にしたものがエネルギーに変わり、自分の体を動かす原動力となります。
また自分の気持ち「精神」も体に影響を及ぼします。
人の身体は一つの有機体なのです。
身体は全ての細胞たちがお互いに協力をして、『自分』という有機体を作っています。
そんな身体を作る大事な作業が『食べるという行為』です。
この"食べる"という人間の基本的な行為を一度見直してみてはいかがでしょうか。
そもそも、普段の生活、健康にはまず食事です。
妊活においてはもっと重要になってきます。
そして、体力がないと鍼灸、漢方は受けられないのです。
そこで、東洋医学で食べ物には「気血水穀」という言葉をご存知でしょうか?
『エネルギーを補うには食べ物から』
ということです。
出産までには赤ちゃんを10月10日お腹の中で育てます。育てるにも体力が必要です。
その出産に至るまでの前段階として、妊娠中にも体力が必要です。
それにはまず、私たちそのものが元気で、体力がなければなりません。
なぜなら、卵子・精子は私たちの細胞の一部。
卵子や精子の質を上げたいのであれば、私たちそのものの質を上げることが必要になります。
子供や受精卵、卵子・精子も私たちの分身なのです。
私たちが元気でなかったら、分身も元気がないということです。
しかし、いくら薬膳は身体によいからといって、気を付けなくてはならないことがあります。
①『気』『血』『水・津液』のバランスが大切
②妊活に良いものを口にする
③妊活に悪影響のあるものは口にしない
「気」が足りない・滞る
基礎体温のバラつき、切迫早産になりやすい、卵子に栄養がいきにくい、卵子の育ちが悪い、など。
気が足りない:山芋、牛肉、ウナギ、栗、クルミ、ショウガなど
気が滞る:柑橘類、セロリ、春菊、パクチー、黒酢など
「血」が足りない・滞る
月経期間が短くなる、内膜が薄くなる、卵子の育ちが悪い、基礎体温がばらつく、など。
血が足りない:鶏、牛レバー、ニンジン、クコの実、ナツメなど
血が滞る:ニンニク、桃、ラッキョウ、シナモン、ショウガ、黒酢など
「水・津液」が滞る
津液の流れが悪かったり代謝が悪いと、むくみがでる。むくみがあると「気」や「血」の流れが悪くなる、ホルモンの流れが悪くなりホルモン値が低下する、など。
水が足りない:豆乳、豚肉、梨、トマト、杏仁、松の実など
水が滞る:緑豆、玄米、海藻類、ショウガ、黒酢など
わかりやすく言い換えると、すべてエネルギーです。
『気(き)』とは、強い活力を持ち、常に運動している精微物質です
『血(けつ)』とは血液と大差はありません。
『水(すい)・津液(しんえき)』とは血液以外のすべての体液です。
そのバランスが大切です。
妊活に良いもの
薬膳の考え方では、黒い食べ物、根菜類、海藻類が生殖能力と深い関係のある「腎」に影響をし、身体を冷やさない食べ物を積極的に食べる。
黒胡麻、黒豆、山芋、わかめ、ひじきなど
ニラ、シナモン、クコの実、かぼちゃなど
ドライフルーツも良いと言っている人もいます。
ナツメやクコの実には気、血を補う作用があると考えられています。そこで積極的に進める人もいますが、気を補うことはできると思いますが、血はさすがに補えないでしょう。鉄分ないし、タンパク質もないから。
妊活に悪影響のあるもの
一般的に体を冷やすものは妊活には天敵である。
トマトやキュウリなどの夏野菜からスイカや柿、ハト麦などは体を冷やしてしまうからNG。
要は冷やすなということですね。
冷えは大敵なのだが、冷えているということはそれだけ活力がないことを意味する。
活力を呼び起こすために、肉体を活性化する食事をしなければならない。
良いものを口から取り入れ、ご自身を健康に、元気にしてください。
それが妊活への近道かもしれません。
中医薬学で、医食同源ということばがある通り、
病気を治療するのも、日常の食事をするのも、ともに生命を養い健康を保つために欠くことができないもので、源は同じだという考えという言葉があるくらいですから。
妊活中、妊娠中、産後、育児など人にはタイミングがそれぞれです。
また人も年齢や体格、性格もそれぞれ違います。
状況によって変わってきますので、実際に何を食べたら良いか、カウンセリングでお伝えしておりますのでいつでもご相談ください。